

転勤で新しく部屋を借りたいのですが、どのようなポイントに注意して物件を探せば良いのかがわからず不安です。

賃貸物件を探す手順や探す際のポイントが分からず、不安になる気持ちは分かります。

CMなどでよく見る不動産会社に行くべきか、インターネットで探すべきかで悩んでいます。

どちらにも利用することで得られるメリットがあるため、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合った方法で探すことが重要です。
上記のような不安を抱えたまま、不動産会社でおすすめされた物件で契約してしまった方は珍しくありません。
物件選びで重視するポイントを理解出来ていないと、どの物件を選べば間違い無いのかを自身で判断することは難しいためです。
そのため、この記事では賃貸物件の探し方やポイントについて、詳しく解説しています。
ぜひ最後まで読んで、賃貸物件を借りる際の参考にしてみて下さい。
・物件選びで譲れないポイントを書き出し優先順位をつける
・住居の立地環境だけでなく、周辺環境も確認する
・生活費と家賃のバランスを考えることが重要
賃貸物件の探し方のポイント

毎年、2~4月ごろは入学や転勤で、賃貸物件を探しにくる方が非常に増えます。
そのため、お部屋探しのポイントを把握して、早めに理想の物件を見つけることが重要です。
そのために把握しておくべきポイントが、以下の4つになります。
- 物件選びで重視するポイントを決める
- 駅チカなどの立地条件だけでなく周辺環境も調査する
- 生活費と家賃のバランスに気をつける
- 初期費用について内訳を考える
それぞれについて説明していきます。
物件選びで重視するポイントを決める
物件を選ぶ際に100%希望に沿った物件を探すことは不可能です。
大概は理想的だが家賃が高かったり、家賃は安いが間取りが微妙だったりします。
そのため、あなたが重視するポイントを決めておくことが重要です。
例えば、「家賃や学校や会社への通勤時間がどのくらい掛かるのか」、「最寄りの駅はどこか」、「家の周辺にスーパー、コンビニ、病院があるか」などは多くの方が気になるポイントになります。
重視するポイントを決めたら、部屋を探す際に絶対に自分が譲れないポイントを5つ書き出してください。
物件探しを始める前に優先順位をつけることで、部屋を見つけやすくなります。
例えば、以下のような感じです。
- 家賃8万円以内の物件
- 駅から徒歩10分以内の物件
- 最寄りスーパーまで徒歩5分以内に行ける物件
- キッチンはコンロが二口以上ある物件
- 南向きで日当たり良好な物件
上記のように部屋を探すためのポイントを書き出し、条件を満たす物件を探すことで、スムーズに物件を見つけることが出来ます。
一方で、重視するポイントを決めずに安易に物件を決めてしまうと、苦労して決めた新居での生活が不満があるものになってしまう可能性もあるため、要注意です。
駅チカなどの立地条件だけでなく周辺環境も調査する
駅からの距離などの立地条件だけでなく、周辺環境を調査することも物件を選ぶうえで重要なポイントとなります。
希望条件にマッチしていても、実際の周辺環境が悪いことで入居後に不満を抱く可能性があるためです。
例えば、駅から徒歩5分の希望通りの物件に入居を決めた場合でも、いざ生活を始めてみると周辺には居酒屋が多く、夜になると騒がしくて眠れないといったケースがあります。
上記のような事態にならないためにも、立地条件と合わせて必ず周辺の環境を確認することは非常に重要です。
生活費と家賃のバランスに気をつける
物件を選ぶ際に重要なポイントとして、生活費と収入のバランスを考えることがあります。
家賃が高すぎる物件を選んでしまうと、生活費を削らないと生活がままならなくなる状況に陥る可能性があるためです。
では、生活費と家賃のバランスはどれくらいが適正なのでしょうか?
適正なバランスを把握するためには、一般的な生活費の目安を知っておくことが重要です。
まずは、下記の表をご覧ください。
こちらは、総務省が調査した「年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」の資料に記載されている「家賃を除く一人暮らしにかかる生活費」の統計を表にまとめたものです。
この統計を基準とすることで、自身に適正な生活費のバランスを把握することができます。
食費 | 44,048 |
水道光熱費 | 7,265 |
生活用品費 | 3,682 |
被服費 | 8,217 |
保健医療費 | 4,580 |
交通費 | 20,488 |
通信費 | 6,717 |
娯楽費 | 20,096 |
その他(理美容・交際費) | 23,774 |
合計 | 138,867 |
※~34歳の全国の男女
上記のデータによると家賃のほかに一人暮らしに必要なお金は、平均13万8867円です。例えば、24歳男性の平均年収を340万円とした場合、総支給額は約28万円/月で手取りは約20万円/月となります。
仮に、手取りが約20万円だった場合、生活費が約14万円掛かるため、残りの約6万円中で設定されている物件を選べば問題なく家賃を支払うことが可能です。
このように、自身の1ヶ月の生活費を把握しておくことで、生活費を削ることなく安定した生活を送ることが出来るため、事前に必要な生活費を算出しておくようにしてください。
初期費用について内訳を確認する
賃貸契約をするにあたり、忘れてはいけないのが賃貸契約にかかる初期費用です。
初期費用とは、部屋を借りて生活を始めるまでにかかる費用の事で「敷金」や「礼金」、「仲介手数料」、「前家賃」、「火災保険料」、「鍵の交換費用」などが含まれます。
この初期費用の総額の目安が家賃の4.5倍~5倍と言われており、多額の費用が掛かるため賃貸物件を探す際に非常に重要なポイントです。
そんな初期費用の一般的な内訳は以下になります。
項目 | 費用の目安 |
敷金 | 家賃1~2か月分(敷金なしの場合もあります) |
礼金 | 家賃1~2か月分(礼金なしの場合もあります) |
仲介手数料 | 家賃0.5~1か月分+消費税 |
前家賃 | 家賃1か月分 |
火災保険料 | 1万5,000円~2万円 |
鍵の交換費用 | 1万~2万円 |
ただし、上記で記載されている内容はあくまでも目安となっているため、実際にいくらかかるのかは不動産会社に確認を行うようにしてください。
初期費用のシミュレーション
家賃6万円として「敷金」や「礼金」、「仲介手数料」が各1ヶ月分かかることを想定してシミュレーションした場合、初期費用にかかるお金は以下の通りです。
- 敷金 :60,000円
- 礼金 :60,000円
- 仲介手数料 :66,000円(税込み)
- 前家賃 :60,000円
- 火災保険料 :15,000円
- 鍵の交換費用:10,000円
家賃6万円の場合にかかる初期費用は、合計271,000円となります。
このように、初期費用には多額の費用が掛かるため、「気軽に賃貸物件を契約することができない」と悩む方は少なくありません。
では、解決方法はないのでしょうか?
こういった場合は、敷金や礼金が0円の物件や鍵の交換費がかからない物件を探すようにしてみてください。
また、大家さんに直接交渉して敷金や礼金を安くしてもらうことで初期費用を抑えるという方法もあります。
ただし、最近では借り手がインターネットで初期費用を比較しやすくなったことで、「敷金礼金」をあらかじめ1カ月にするなどの相場に合わせた設定にしている事が多いため、交渉も難しくなってきているのが実情です。
仮に交渉するのであれば「必ず入居する事」を伝えて、「家賃」や「礼金」などの交渉にあたることが重要になります。
賃貸物件を探す2つの方法紹介

賃貸物件を探す際は、大きく分けて以下の2つの方法があります。
- インターネットで探す方法
- 不動産会社に直接足を運び物件を紹介頂く方法
上記の方法はそれぞれメリットに違いがあるため、自分に合った方法で探してみてください。
なお、時間がある場合は、両方の方法を利用しながら探すのがおすすめです。
ネットで探す方法
ネットで探す方法のメリットは以下の4つなります。
- 自宅にいながら24時間検索ことが出来る
- 情報件数が多く、市町村をまたいで検索が出来る
- 不動産会社に足を運ばなくても良いので、時間を有効に使える
- Webカメラで内見も出来る
このように、時間や場所を選ばずに大量の情報を収集が出来るのがインターネットで家を探すことの最大のメリットです。
ちなみに、インターネットで家を探す際におすすめのサイトは以下の3つになります。
- SUUMO:物件数が圧倒的に多く、掲載数No1(約660万件)
- アパマンショップ:物件数はSUUMOに負けるが、掘り出し物が多い
- HOMES:不動産だけでなく、引越や介護など暮らしに役立つサービスを提供
上記の中でも特に「アパマンショップ」は、物件の掲載数こそSUUMOには負けるが、全国に支店を持っており管理を専任されている物件が多く、SUUMOなどにはない掘り出し物が多い特徴をもつため、おすすめです。
不動産会社で直接探す方法
不動産会社で直接賃貸物件を探す方法のメリットは、以下の4つです。
- ネット掲載前やわざとネットに載せていない物件を教えて貰える
- 担当者の方と直接会話する事で、住居周辺状況やオススメのお店などの情報を収集出来る
- 気になった物件があればその場で内見に行き、気に入れば即申し込みが出来る
- 条件を伝えればオススメ物件を紹介して頂ける
実際に担当者と話をして細かい条件を指定できるうえに、すぐに物件を内見出来る点は、不動産会社で直接探す際の大きなメリットです。
ネット上で調べても、結局は内見をしに行かないといけないため、不動産会社に直接いくのもひとつの手段と言えます。
ただし、直接いくと相場感が分からないうえに時間も掛かるため、ネット上で探したうえで不動産会社に行くのがベストな探し方です。
不動産会社を選ぶ際のポイント
不動産会社を選ぶ際は、以下の5つのポイントに注目することが重要です。
- 店舗が駅チカで訪問しやすい場所にある
- 営業時間が長い
- ネットの口コミが良い
- 地域密着型の店舗である(地元情報が豊富)
- 担当者の電話対応が良い
上記のポイントを抑えた不動産会社に依頼した場合、掘り出し物の物件やインターネットでは調べられない物件を見つけることを期待できます。
そのため、賃貸物件を探す際は、不動産会社をしっかりと見極めるようにしてください。
賃貸物件を探すときの手順

これまで述べたポイントを参考に、賃貸物件を探す際の手順をご紹介致します。具体的な手順は、以下の6つです。
- インターネットなどで物件の条件を選定する
- 不動産会社で物件を探す
- 内見をして物件を決める
- 申し込みをして契約
- 引っ越し会社を探して契約
- 前の家を退去して引越し
それぞれについて説明していきます。
インターネットなどで物件の条件を選定する
インターネットで物件を探す際や物件の目安を決める場合は、各社のサイトから検索フォームにこだわり条件を入力することで、自分に合う物件を探すことが可能です。
仮に、検索して良い物件が見つかれば、インターネットや不動産会社に連絡して内見の申し込みを行います。
ちなみに、内見に行くことが出来ない人向けにWebカメラで内見を行うこと出来るケースもあるため、なかなか来店する時間を確保できない方は、こういった内見方法を行なっている不動産屋を利用することがおすすめです。
不動産会社で物件を探す
インターネットからある程度物件の目星をつけて不動産会社に足を運ぶ場合はともかく、「不動産会社で物件を探す場合」は、物件を選ぶうえでこだわる条件をあらかじめ伝えることが重要です。
また、その際に物件選びで重要なポイントである仲介手数料や敷金などの初期費用の予算を伝えておくと、よりスムーズに家探しが出来ます。
予算やこだわりの条件を伝えておくことで、できる限り条件に近い物件を紹介してもらえるためです。
なお、少しでも安く済ませたいからと言って、仲介手数料を値切るのはオススメしません。
仲介手数料は不動産会社に対する取引の対価となっているため、執拗に値切ると不動産会社からの印象が悪くなり、物件を紹介してくれないなどの不利益を被る可能性が高くなります。
なお、不動産会社に対して仲介手数料の値引き交渉を行う際の抑えておくべきポイントについて、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
内見をして物件を決める
物件を決めたら内見を行います。内見はインターネットや掲載情報では分からない点を確認できるため、非常に重要です。
内見する際は、以下のポイントを確認するようにしてください。
- 周辺環境
- 防音性
- 備え付けの設備やコンセントの位置
- 日当たり、部屋の明るさ
- 部屋や浴室の広さや雰囲気
上記のポイントを押さえて内見を実施することで、実際に暮らし始めてから想像と違って暮らしにくいという事態に陥ることを防ぐことが可能です。
申し込みをして契約
内見を行い、気に入った物件があれば、賃貸契約を行います。
そのときの流れは以下です。
まず、「入居申込書」の記入と「身分証明書」の提出をします。
これらの書類の提出後に入居審査が行われる流れです。
なお、入居審査とは契約者本人に「安定した支払い能力」や「近隣住民とトラブルを起こす恐れが無いか」を連帯保証人に連絡して確認などを行う審査を指します。
この入居審査に通ると不動産会社から重要事項説明を受けて、初期費用の入金や提出した契約書類に不備が無ければ契約完了です。
引っ越し会社を探して契約
無事契約が完了して入居日も決まれば、引っ越し作業を始めます。
その際、まずは引越業者に引っ越しの見積もりを取るのが重要です。
なお、引っ越しの見積もりは以下のサイトから依頼すれば、複数の会社から相見積もりを無料で簡単に取ることが出来ます。
業者が見つかれば引っ越しですが、以下の注意点があります。
- 3月から4月は引っ越しのピークとなるため避ける
3月や4月に引っ越しをする際は、1ヶ月以上前に希望の「搬出日」、「搬入日」を伝えなければ、希望通りの日程で作業が進まないこともあるため注意が必要です。
そうなると、新しい家に入居は出来たが、荷物が届かなかったり前の家の引っ越し作業が出来ておらず、家賃が二重にかかるなどの状況に陥ってしまう可能性もあります。
このようなケースを避けるためにも、日程が分かった時点で早めに連絡をすることが重要です。
前の家を退去して引越し
最後に行うのは、前の家を退去して実際に引っ越しをすることになります。
ただし、賃貸物件を退去するためには、1ヶ月前に退去する旨を伝える必要があるため、注意が必要です。
伝えるタイミングによっては2重で家賃を支払わなければならないケースもあります。
まとめ

新たに賃貸物件を探すのは不安もありますが、やはり住環境が変わることは楽しみでもあります。
しかし、新生活を楽しくスムーズに始めるためにも、賃貸物件の探し方やポイント事前準備の方法を知っておくことが重要です。
そのため、この記事では、賃貸物件を探すポイントや探し方について解説してきました。
解説してきた内容を簡単にまとめたのが以下になります。
・ 物件選びの重視するポイントを書き出して優先順位をつける
・内見の際に物件状態の確認や周辺環境も調査する
・初期費用などを整理して生活費と家賃のバランスを考える
・インターネットで探す際と不動産会社で探すメリットを比較して自分に合った方法で探す
上記の内容を参考に、賃貸探しをしてみてください。
なお、この記事を書いている「FPアキ」に
興味を持ってくださった方は、プロフィールもみていただけると幸いです。