

仲介手数料が無料の部屋は、本当にお得なのでしょうか?

基本的にはお得と言えます。ただし、例外もあるため、注意が必要です。

また、仲介手数料が無料であっても家賃が相場より高い場合は将来的に支払う金額多くなってしまうため、家賃も確認しておくことが重要です。

また、仲介手数料が無料であっても家賃が相場より高い場合もあり、そういった場合は将来的に支払う金額が多くなってしまうため、相場を確認しておくことも重要です。
上記のように賃貸契約時の仲介手数料を無料にしている会社に対して怪しむ方は少なくありません。
本来、不動産会社は仲介手数料で利益を出しているため、その気持ちは分かります。
では、仲介手数料無料の部屋は本当にお得なのでしょうか?
仲介手数料0円を謳っている部屋が、自社物件や広告費が高額な部屋であればお得な可能性が高いです。
しかし、中には礼金や他の初期費用項目に割り増しをしている不動産会社もあるため、注意しなければいけません。
そのため、この記事では賃貸契約で仲介手数料が0円の部屋がある理由や仲介手数料0円の部屋の注意点について説明していきます。
最後まで読んで、部屋を探す際の参考にしてみてください。
・仲介手数料は不動産屋が部屋の選定や紹介、契約の交渉など、賃貸契約が成立するまでにサポートしてくれた対価
・仲介手数料無料の部屋がある理由を理解することでお得な部屋か判断出来る
・仲介手数料を交渉して値下げすることは不動産屋からの印象が悪くなるためおすすめしない
仲介手数料の仕組みとは?

賃貸契約における仲介手数料は、賃貸契約が成立するまでにサポートしてくれた対価として不動産屋に支払うお金です。
一般的に部屋を探すときは、不動産屋を訪れて理想の部屋を紹介してもらって契約します。
その過程には、大家さんとの交渉や契約書の作成など、専門的な知識が欠かせない業務も多いです。
したがって、こういった作業を不動産屋が行ってくれないと、部屋を借りることも容易ではありません。
そのため、仲介手数料は本来、正当に支払わなければならないお金です。
仲介手数料の上限は賃料の0.5ヶ月+消費税
仲介手数料の基本的な上限は「賃料の0.5ヶ月+消費税」になります。
宅建業法46条によって、以下のようにルールが決められているためです。
- 仲介手数料は、大家と借り主の仲介手数料を合計した金額が賃料の1ヶ月分以下であること
- マンションやアパートといった居住を目的とした建物の場合は、大家と借り主の片方から受け取れる仲介手数料は賃料の0.5ヶ月分以下であること
- 仲介の依頼時までに借り主や大家の承諾があれば、仲介手数料が賃料の0.5ヶ月分を超えてもよい
このように、法律によって決められているため、上記の上限を守って不動産屋は仲介手数料を決めています。
仲介手数料の相場は?
仲介手数料の相場は賃料の0.5ヶ月〜1ヶ月が相場です。
ただし、不動産屋が賃料の1ヶ月分の仲介手数料を受けるためには、依頼をする前に借り主の承諾が必要になります。
この依頼する前というのは、内見や仮申込みの時点です。
もし、不動産屋がこのタイミングで仲介手数料について説明や書面での記載がない場合は、1ヶ月分の仲介手数料を支払う必要がありません。
仲介手数料が無料になる理由は?

仲介手数料が無料になるケースがある理由は以下の3つです。
- 不動産会社が所有している物件の部屋である
- 大家から高い広告費をもらっている
- 初期費用の他の項目に仲介手数料を上乗せしている
それぞれについて説明していきます。
不動産会社が所有している物件の部屋である
不動産会社が所有している物件であった場合、仲介手数料を無料にしてくれているケースがあります。
自社で所有している物件であるため、管理費用や家賃収入などを得られるためです。
仲介手数料による収入を得なくても入居してもらえれば収益を確保出来るので、入居者が集まるように仲介手数料を設定していないケースもあります。
不動産会社が大家から高い広告費をもらっている
不動産会社が大家さんから高い広告費をもらっているケースもあります。
大家さんが入居者を集めたい気持ちから、仲介手数料を無料にする代わりに広告費などに手数料を上乗せしている場合、不動産会社は仲介手数料を請求しません。
ただし、そこまでしないと入居者が集まらない物件の可能性があるため、内見時によく確認することが重要です。
初期費用の他の項目に仲介手数料を上乗せしている
仲介手数料の金額を、初期費用の他の項目である礼金などに、上乗せしているケースがあります。
こういったケースは、初期費用の総額が変わらず、入居者にとってお得になっていません。
むしろ損をしているケースも有り得ます。
そのため、初期費用の各項目の相場を把握しておくことが重要です。
相場を把握しておくことで、同条件の物件と比較することが出来ます。
この項目で紹介したケースは、入居者が気をつけないと気づけないため、必ず確認するようにしてください。
なお、初期費用の各項目については以下の記事で詳しく解説しています。
仲介手数料無料の物件を契約するときの注意点
仲介手数料が無料の物件を契約するときの注意点は以下の3つです。
- 仲介手数料が無料の物件と仲介手数料が掛かる物件の年間の費用を計算する
- 初期費用を確認して他の物件と比較する
- 物件の内見に必ず行く
それぞれについて説明していきます。
仲介手数料が無料の物件と仲介手数料が掛かる物件の2年間の費用を比較する
仲介手数料が無料の物件と、同程度の条件で仲介手数料が掛かる物件に掛かる費用を、比較することが重要になります。
同程度の条件で仲介手数料が掛かる物件の家賃の方が、安くなっているケースがあるためです。
例えば、家賃が9万円で仲介手数料が9万円のケースと、家賃が9.5万円で仲介手数料が0円のケースの2年間の費用を比較すると以下になります。
・家賃9万円で仲介手数料(家賃1ヶ月)ありのケース(仲介手数料以外の初期費用を除く)
9万円(家賃)×24(月)+9万円(仲介手数料)=225万円
・家賃9.5万円で仲介手数料なしのケース(仲介手数料以外の初期費用を除く)
9万円(家賃)×24(月)=228万円
上記のように、仲介手数料なしのケースのほうが3万円高いことがわかります。
なお、2年間に設定している理由は、最低でも2年間は引っ越さずに契約した部屋に住むケースが多いためです。
そのため、2年間の総額費用で比較しています。
初期費用を確認して他の物件と比較する
仲介手数料が無料の物件を検討している場合は、内見を行うことが非常に重要になります。
物件の状態や立地が悪く、入居者が集まらないことが原因で、仲介手数料を無料にしているケースがあるためです。
そのため、内見で物件の状態や立地を確認しておく必要があります。
写真ではわからない物件の劣化状態や、周辺環境などは、必ず確認するようにしてください。
仲介手数料が無料の不動産会社
仲介手数料が無料の不動産会社としておすすめなのは以下の会社です。
- レオパレス21
- UR都市機構
それぞれについて説明していきます。
レオパレス21
レオパレス21で通常の賃貸契約を行う場合は仲介手数料が掛かりません。
すべての物件を自社で管理しているので、管理費用などから収益を得ているためです。
ただし、短期間のマンスリー契約などの場合は仲介手数料がかかります。
このため、仲介手数料が無料の物件を探している場合は、レオパレスがおすすめです。
ちなみに、レオパレスの物件は敷金と保証金も掛かりません。
UR都市機構
UR都市機構は全国に約71万戸あるUR賃貸住宅の管理しており、このUR賃貸住宅は仲介手数料が掛かりません。
不動産会社を仲介せずに直接都UR市機構と賃貸契約を行うためです。
また、礼金や保証会社への加入料も支払う必要がないため、初期費用を抑えられます。
ただし、敷金に関しては相場よりも多い「家賃2ヶ月分」を支払う必要があるので、注意が必要です。
なお、UR賃貸住宅に入居するためには、全国にあるUR店舗窓口やインターネットから契約をする必要があります。
まとめ

賃貸契約を検討している方の中には、仲介手数料0円を謳っている物件や不動産会社について、怪しんでいる方が珍しくありません。
仲介手数料は本来不動産屋が得るべき利益であるため、無料にする理由について疑問を持つのは当然です。
そのため、この記事では賃貸契約で仲介手数料が無料の部屋がある理由や注意点について解説してきました。
解説してきた内容を簡単にまとめたのが以下になります。
・仲介手数料は賃貸契約を結ぶまでの作業をサポートしてくれた対価
・仲介手数料の相場は賃料の0.5〜1ヶ月で、不動産屋が1ヶ月の仲介手数料を得るためには、仲介の依頼までに借り主の承諾が必要
・仲介手数料無料の部屋がある3つの理由を理解することでお得な部屋か判断出来る
・仲介手数料の執拗な値下げ交渉はおすすめしない
上記の内容を参考に、賃貸契約を行うようにしてください。
なお、この記事を書いている「FPアキ」に
興味を持ってくださった方は、プロフィールもみていただけると幸いです。
“賃貸契約の仲介手数料が無料な部屋は本当にお得?仲介手数料の疑問を徹底解説” への1件のフィードバック